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熱くて目が覚めた。
なんだろう、心臓がバクバク言っている。
全力疾走一歩手前というところだ。
あらぬところに熱を抱いている。
触れてみると、もう射精寸前のようだった。
なんで・・・、そう思ったところにあの空の瓶が目に映る。

「まさか・・・」

はぁっと吐息のようなものを吐き出して、おれはよろよろ瓶のところまで歩く。
瓶の底を見ると小さな紙が張ってあった。

『お熱い夜を』

嘘だろ、そうこぼす。
あの先生もほんわかした顔ですごいことをする。
媚薬なんて、一歩間違って他のメンバーが飲んでいたらどうするつもりだ。
そこは少し安堵したが、それより何より体が熱くてどうにもならない。
このままだと勝手に出てしまいそうだった。

「ホントに、胡散臭かった・・・っはぁ」

息せきってドアのほうへ向かう。とりあえず今の時間なら1階は誰もいないはずだ。水でも飲みに行こう。
ランディに頼めば手っ取り早くこの熱からも開放されるだろうが、いつも乱れすぎて自己嫌悪するくらいなのに、今日やるなんて羞恥心で死ねるレベルだ。
だから今ランディの部屋に行くのははばかられた。
体を引きずりながら1階へ向かうと、キッチンの扉が薄く開いている。
誰かは知らないがこのままではまずい。
きびすを返して2階に戻ろうとした時、ふらついていたのもあって、足を滑らせた。
階段の二段目を背中から落ちる。思わず呻き声を上げて、身を起こした。
泣きっ面に蜂だ。今日は最悪だ。
キッチンの中の住人はその物音に気づいたらしい扉が開く。
慌てて階段の影に隠れたが、足音は用心深く近づいてきて階段近くで止まった。

「誰だ」

足音の主はランディだった。
少し声色が違う。
おれとは気づいていないらしい。
この暗闇ならおれの状態も分からないだろうと思って投降する。

「あ、おれ、だけど」
「ロイド?何してんだ、そんなとこで」
「ちょっと水飲みに来たんだけど、・・・階段から、落ちちゃって」

息が切れそうなのを必死に抑える。
ランディに知られるわけには行かない。

「おいおい大丈夫か?どっか打ってるんじゃねえの」

そんなおれの気も知らず寄って来たランディはおれの背中に手を回した。
触らないで欲しいと言う間もない。

「――――・・・っう」

全身にぴりぴりとしたものが走る。
思わず自分の体を抱きしめると、ランディが痛むんだな、と言った。
違うと言いたかったが、息が上がってしまってそれどころではない。
湿布を取ってくると言ったランディの腕を思わず掴むくらいには、おれも限界を感じていた。

「どうし」
「し、して・・・!」
「は?」

おれは一度腕を掴んでしまった勢いも手伝って、ぐっとランディを引き寄せてからぱっと手を放す。
よろめいたランディの肩を掴んで押し倒す。硬い床の上に押さえつけられてランディは少し呻いた。

「いってぇ・・・、何すんだよ!」
「ご、ごめ・・・、でもその、」

ランディの上に馬乗りになる。触れた体は部屋着らしく体温と筋肉の隆起が伝わってきた。
それにたまらず腰の辺りがうずく。
ああ、もうどうにでもなれ。
おれはランディに深く口付けた。
ランディは驚いているのか、びくっと腕を上げた。
構わず舌を絡めて、思う存分舐る。
唾液を送り込み、舌を吸い上げ、歯列をなぞる。
次第に何か察したらしいランディは、おれのキスに応え始めた。
腰の辺りを撫でられて自分でも信じられないくらい甘い声が出た。
その様子にランディは一旦キスをやめて、声を発した。

「あの変態医者からもらった薬のせいだろ」

背中を直に触られるだけで感じる。びくびくと身が震えた。
顔を横にそらせて、快感に身をよじる。

「あっ・・・触られると、もう・・・っ」
「・・・なかなか良いもんくれたな、あいつ」

良いもの・・・?

「ランディ・・・知って・・・あぅっ」
「さてね、何の事だか」

服の裾から伸びてきた手が突起をいじる。
ランディの手が自分の体温より低いのか冷たく感じた。

「し、知ってて・・・はぁっ、飲ませたな・・・?」
「俺だって飲んだんだぜ?」
「あ・・・ひとくち、だけ、だろ」
「一口でも結構きつかったぜ」

俺はああいうたぐいは慣れてるんだけどな、と言って両胸をきゅっとつままれる。

「おい、んな擦り付けんな」

無意識に股を擦り付けていたらしい。指摘されて一度止めるが、ランディに胸をいじられるとまた動いてしまう。
うっすらとしか見えないが、ニヤニヤ笑っているランディはこんなところで良いのかねえと漏らす。
その声にも体の熱は上がって行くばかりで自分の熱がもう吹き出そうだった。

「ランディ・・・さわって・・・ぇ」
「見せて」
「ん、」

自分の服の裾を捲り上げて口にくわえる。
震えながらズボンと下着を脱ぐ。

「おー、絶景かな」

丁度月明かりがおれの下腹部を照らし出してそこだけが良く見える。
ひくひくしながら刺激を待ちわびるおれの熱。
見られていると思うと気持ち良くなってくる。
なけなしの羞恥心は段々薄らいで、快楽が欲しいと言うことが優先になっていく。

「自分でしてみせろよ」

ランディはおれの尻を撫でながら、イくとこ見せてと言う。
言われるまま、抗えずにおれは自分の前をいじり始めた。
先走りでどろどろだったせいで余計に気持ち良い。
前に集中していると、突然後ろに違和感を感じた。

「んっ、ん?!」

後ろを振り向くとランディの指が穴に滑り込もうとしている。
指先でこつこつと入り口を叩かれ、2、3度ランディの指が空回る。
唾液で濡らされた指は中に吸い込まれて、探り出す。

「んんっ、ふ・・・っぅ」
「あんま声出すなよ」

こくんと頷いたが、ランディがおれの感じるところをピンポイントで突いて来る。

「ひゃうっ、ああっ!」
「馬鹿、声でかいって」
「ら、ランディが、あっ、わるいんだろ・・・!」
「おお、まだそんな口利けんのか」

ぐりっと、内部が押される。

「ひっ」
「まだこらえろよ?気持ち良くしてやるから」

そう言うとランディはおれのモノの根元をきつく握る。

「やぁ、これじゃだせな・・・」
「だから良いんだよ」

ぐぷ、と内部を押し広げながらランディの指が暴れる。
もう出そうなのに出さしてもらえない苦しさにもだえながら、息遣いだけが荒くなっていく。
感じる部分を集中的に攻め立てられて目の前がちかちかし始める。
出したい。でもランディの指がそれを許さない。
腰をよじって何とか逃れようとするが、腰も抜けているのか力が入らない。
攻めに耐えるように細かく息を吐き出す。
もう顔は涙でぐしゃぐしゃだった。

「ひ、ぁ・・・!なにか、クる・・・!や、や、こわい・・・っ!」

恐れを訴えてもやまない。指は的確におれを頂上に導く。
頭が破裂しそうになる。視界がテレビの砂嵐のようになった。
背筋に走る衝撃に背をぐっとそらす。
感じたことのないイく感覚に、恐怖さえ覚えた。
おれが声にならない悲鳴を上げた瞬間、ランディがニヤッと笑った気がした。

「ひ・・・く・・・・っぅ」

わけも無く涙が出てくる。
ランディは戒めていた指を解いて、再びおれの内部を突く。

「――――・・・・っ!」

突かれる度におれの熱はどくどく出てくる。吐精が止まらない。
声が漏れないように唇をふさがれて、ランディの口の中に喘ぎを漏らす。
口が少し離れた隙に、下を向いて自分の有様を見る。
ランディの服にところ構わず液体がこぼれている。
出し尽くしたんじゃないかという量だった。
月光の中でそれはぬらぬらと光る。

「な、んだよ、これ」
「後ろだけでイくとこうなんの。お前なら出来ると思った」
「・・・ひどい」

またぼろぼろと涙が出てくる。
ランディはおれが自分の体にコンプレックスがあるのを知っているくせにこういうことをする。

「こんな体、やだ・・・」
「でも媚薬の熱は少し収まったんじゃねえ?」
「そうだけど・・・」
「そんじゃ、お終い」

ぽんぽんと頭を撫でられて、ごめんなとランディは笑う。
え、と声が漏れた。

「お前、辛そうだったしさ、場所も場所だし早く済まさなきゃと思って無理させちまった。悪い」

最初からそのつもりで?
おれは簡単に嬉しくなって、涙でぐしょぐしょの顔で笑んだ。
考えてみればおれからこんな無茶な場所で誘ったんだ。
それをランディは文句も言わずに―――ってアレ?

「そういやランディ、薬の事知ってたよな・・・?」

おれは立ち上がってズボンをはきながらそう尋ねる。
ちょっと、いや大分声が冷たかったのは当然だと思う。

「なあ、ランディ?」
「どきっ」
「何が『どきっ』だよ、わざとらしい!」
「あー、その、なんだ、まあ、・・・良いじゃねえか。気持ち良かったろ?」
「最低だ、もうしばらくしないからな」
「え、え、ちょっとした冗談じゃねえかロイド」
「冗談で済まされるレベルじゃない」
「えー!しばらくってどのくらいだよ」
「しばらくはしばらくだ。まったくもう」

おれは身支度を整えてさっさと自室に引きこもることにした。
ランディの馬鹿!




 ――――後日、先生に薬の効果はどうだったか聞かれたので、最低でしたと答えたところ、今度は僕の前で飲んでねと言われた。
冗談かどうかは定かではない。
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