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牢は開いている、足かせも首輪も無くなった。
それが物足りない。
俺はランディに恋したわけじゃない。
ランディでないランディに恋したんだ。
それが間違っていたのだろうか。


牢の中に汗が飛び散る。
背後から突き上げられて背をのけぞらせる。
もう擦り切れるくらいまぐわっているのに、快感は次から次へと津波のようにやってきてとどまる事を知らない。
おれは波の中をただよう回遊魚のようにひたすらぐるぐると泳ぎ続ける。

「はぁっ、ああっ!んん、そこ、イイ・・・!」
「ロイド・・・・大丈夫なのか?」
「イイ、から、やめないで・・・ぇ」

ランディはおれがランディを受け入れるようになってからまるで人が変わったみたいだった。
乱暴に抱くことも無い、優しく丁寧に抱こうとしてくる。
おれはそれが駄目だった。
痛くして、酷くされないと感じないようになっていた。
それにランディが忙しかったりして抱かれないでいると自然、指が自分の後孔に伸びてしまう。
指では足りなくて、ランディの持ってくる食事のスプーンを挿れたりもする。
いつの間にか体はどんどん性に飲み込まれていた。

「ランディ・・・ランディ・・・!あっ、キちゃう、イきそ・・・!」
「何回出すつもりだよ・・・お前」
「こんな、体に、したの、ランディだろ・・・ふっ、う、あ、だめ、出るっ」

おれは少し後ろを振り向いてランディに微笑む。
ランディは呆れているようだったが、構わない。
だってこれはランディの望みだろう?
おれはそれにおもねっただけだ。
まあ、そのうちにおれもほだされていったのだけれど。
けれどこうして抱かれていると、ランディが好きで居て欲しいのか、性欲処理のために居て欲しいのか分からなくなる。
おそらくその両方なのだろうけれど。
リズミカルに繰り返される律動にたまらず吐精する。もう何度目か分からない絶頂は白濁した体液ではなく、薄濁りした液をちょっと出すだけになっていた。
ランディもそれは同じようで、もう内壁に温いものがかかっている感触はなかった。
ずる、と引き抜かれたモノのあとに中で吐き出された精液が勢い良く飛び出す。
わずかな破裂音と共に出て行く精液の感触に身震いし、また射精したくなる。

「はぁ・・・っ気持ち良かった・・・」
「そりゃ何より」

ランディはそう言って傍の水差しから桶に水を注ぐ。
おれは体勢を維持したまま、ランディが後の処理をするに任せた。

「ねえランディ」
「ん?」
「おれのこと、好き?」
「ああ、好きだ」
「・・・・おれの気持ちは気にならないの?」
「お前が傍に居て欲しいって言った。お前がそう望んでくれることが嬉しい」

意外な返事に少し驚く。

「おれが好きじゃなくてもいいの」
「構わねえさ。そこまで欲を張るつもりはないしな」

ランディはその言葉をどこか余裕あり気に吐く。
嘘だな、と思う。だっておれの全部が欲しいって言ったのはランディだ。
さ、これで良い、と言って処理を済ませたランディは例によって新しいシーツを取り出す。
それを床に広げると、一緒になってごろりと寝転んだ。
足を絡めあって、ランディはまるで恋人のようにおれの頭を撫でて頬や額や唇に口付ける。
慈しむようなその行為や、裸のまま互いの体温を感じているときは、決まって胸にある感情が溢れてくる。
こんなに優しくされるなんて違う。
ランディはもっと酷いんだと。
もっと手ひどく俺を扱って、独占欲で満たすんだと。
そういう気持ちがもやもやと胸のうちを満たす。

「ランディ、おれさ、ずっと胸がもやもやしてるんだ」

ぴく、とランディの手が止まる。
ランディは獰猛な獣のような目をして、おれの肩を掴んだ。
たぶん、ランディは何か勘違いをしている。

「どういう意味だ」

冷たい声色にぞわりと背中があわ立つ。
そう、こういうランディがたまらなく好きだ。
おれを嬲る声色に感じる。
だから、おれは半分嘘をついた。

「好きな人のことを考えてるんだ」
「・・・・・・それは、誰のことだ?」
「ランディの知らない人だよ」
「そう、か・・・」
「うん。でもランディには傍に居て欲しい。おれが望めば傍に居てくれるんだろう?」

ランディのおれを抱きすくめる力の強さにむせそうになる。

「・・・・分かった」

ただし、と付け加える。

「ここから出れると思うな」

うん、分かってる。
出るつもりなんて無い。
ぎらついた目に射抜かれて体が疼く。
その目がね、おれを虜にしたんだ。
だからお願いだから優しくしないで。
繋いだままでいて。
自由を奪って。

間違っているなんて感覚はとうにどこかに置き去った。
おれ達の正解はここにある。

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