忍者ブログ
12345678

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

知らなかった。知らなかった。
あいつは俺の事を見てくれたんだと思ってた。
だから首輪も足かせも外したのに。
どこかの誰かにとうに奪われていたのなら奪ってやる。
それしか俺は道を知らない。



じゃら、と金属音をさせてロイドが牢の中から俺を見る。
牢にも鍵をつけた。
鎖を再び付けて長さも短くした。
俺はロイドをどう奪おうか考えた。
ロイドの服を引き剥がしながら、ふと気にかかる。

「ロイド・・・お前の好きな奴って男か?」

ロイドは乳首を齧られながら喘ぐ。もう痛みなんかこいつは感じないらしい。
元々の性質もあるだろうが、開発してしまったようだ。

「う、うん、そう、だけど」
「ふん、道理でな。男を悦ばせる体してるわけだぜ。俺が初めてってわけじゃねえのか」

屹立したモノに触れながらそう問うと、ロイドは首を横に振った。

「じゃあ生来の淫乱だな。その好きな男ってのもお前の姿見たらがっかりするんじゃねえ?」
「ふ、ぁ・・・そ、そう、かな・・・」

ビンゴ。これは効いたらしい。
ロイドは目を見開く。

「こんな酷くされて悦ぶような体じゃ誰もお前の事なんか受け入れちゃくれねえよ」
「うあっ、あっ」

亀頭に爪を立てて、何も言えなくする。
ロイドはそれさえ感じるらしく、先走りをだらだらと垂らす。
きつめに扱いて先を促すと、呆気なく吐精する。
それを舐め取り腹を綺麗にしてやると、ロイドは何故か微笑んだ。
胸糞悪い。
きっと今頃その想い人やらと俺を重ねて楽しんでいるんだろう。
俺は慣らしていない秘所に自身をあてがってぐっと押し込むが、痛い。
まだきつく閉じている。
仕方なく唾液を塗りたくって少し指で慣らす。
再び挿入すると、唾液のぬめりを借りてすんなり解れて進む。
最初の頃に比べて格段に解れが早くなった。
これも一種才能だと思う。
こんな体、男なら泣いて喜ぶだろう。
だが。

「男好きなんて気持ち悪ぃって思われるんじゃねえ?」
「んん、ん・・・ふっ、うく」
「俺がノンケの男なら願い下げだな。気持ち悪い」
「あっ・・・ああっ・・・んっ」
「その男も今頃どっかの女としけこんでるかもな」
「ラン、ディ・・・あっ、そこっ、ん」
「いやもしかしたら男としけこんだりとか、かもな。ククッ、お前よりずっとイイ相手かもしれねえぜ」
「うう、っく」

ロイドが涙を零した。そりゃそうだ。これだけ自分の体やら性癖やらにケチをつけられてこいつがへこまないわけが無い。
お前よりイイ相手なんて嘘だ。いるわけがない。
でもこうでも言わなけりゃお前はそいつを諦めないだろ?
俺だけのものにしたいんだよ。心も身体も。
たとえそれでこいつの心が壊れたって構わない。
壊れたら、俺の傍にずっといてくれるだろう?

「おら啼けよ、イイ声でせいぜい楽しませろ」
「ひっ、ん・・・ふっああ!」

一番奥を突くと、嬌声が甲高く響く。
その声に身震いする。一撃で昇天しそうな声だ。

「お前は馬鹿だな。男が好きなんて報われねえ」
「散々俺に開発された体で、その男にも二度と会えねえし」
「ホント、馬鹿だな」

本当にな。
ばっかみてえだ。
俺が。
こういう気持ち何て言うんだ。知らねえよ。
教えられても嬉しくねえだろうな。
俺はロイドの体を自分の体に乗せるように体位を変える。
下から一気に突き上げると、ロイドは唾液と涙を降り零しながら喘ぐ。

「ラン、ディ・・・ッ、あっあっ、あふ」

名前なんか呼ぶな。
勘違いしそうになる。

「難なら好きな男の名前でも呼べよ、笑ってやるからよお」

腰を押さえつけて間断なく突き上げる。
ロイドは拒絶を示すように頭を振る。
ロイドの顔は涙や唾液や汗でだらだらだった。
その様子に咽喉を鳴らす。色っぽいなんてもんじゃない、妖しい艶が溢れている。
ロイドの喘ぎは限界近いことを表すように悲鳴に変わっていく。
蔑まれて、嘲られて、泣いて、感じて。可哀想な、やつ。

「ラン、ディ・・・ランディ・・・!イく、イッちゃ・・・う」

好きな男の名前でも呼べば良いのに。
なんだって俺の名前なんか連呼するんだ。
苛立ちながら俺も限界が近かった。ロイドがイくのと同時くらいに中に放った。
息を切らしながらロイドがずるりと俺のモノを抜いた。
秘所からは内部が切れたのか赤い線が太ももを伝う。白濁した粘性の液体は入り口付近からつうっと一本垂れていった。

いつものように後始末をしようとするとロイドがそれを制した。

「ランディ・・・良いよ、自分でする」
「・・・・好きでもねえ男に自分の体は触らせないってか?」
「違う・・・」

じゃあなんだよ。
俺はむしゃくしゃして布巾をロイドの顔に投げつける。
ロイドは布巾を握り締めると、言う。

「ランディは・・・おれの事とか労わる必要ないんだ」
「ただおれの事を手荒く抱いてくれればそれで良い」
「酷い事をして、傍に居てくれればそれで良いんだ」

ロイドの言葉にしばし言葉が見当たらなかった。
そうして一つ答えが浮かんでくる。

「ロイド・・・お前、まさか」

すっと近づいて優しく触れる。
口付けを壊れ物に触るようにする。
舌をゆっくり絡めた。
丁寧に、慰撫するように。

すると───。

「こんなのランディじゃない」

俺の顔を包んでロイドはそう言った。
俺は気づく。とっくにロイドは壊れていたんだ。

「ランディはもっと恐い目をしておれのことを見る。おれはそれに恋したんだ」

絶望感で足元が崩れそうだった。
違う。そんなつもりじゃなかった。
ギリ、と歯を食いしばる。
俺であって俺じゃないものに恋をされても、俺はどうしたら良い。
もう二度とこいつに優しく触れることを許されなくなった。
壊してしまえば良いとは思った。
こいつの自我がなくなるほど。
そうしたらうんと甘やかして優しくしてやるつもりでいた。
なのに、やはり人と言うのは一筋縄ではいかないのだ。
今度こそお終いだ、と思う。
ロイドが恋をした相手が他ならぬ俺なら変えさせようがない。
俺はロイドの足かせと首輪をはずした。

「ランディ!なんで!?」

ロイドは拘束を取られて嫌がり、俺の腕にすがりつく。

「もう、出よう・・・」
「やだ!おれ、ランディとここにいたい」

間違いは間違いでしかない。
今ここになって俺はそれを改めて認識する。
ロイドが俺を受け入れたらどうなるんだ、とは暗に考えないでいたが、こうなるなんて。
小さな歪は、やがて大きく全てを捻じ曲げてしまう。
俺の責任だ。ロイドをこんなに歪めてしまった。
汚れのない、無垢な体と心をいたずらに変えてしまった。
俺は自分でも知らないうちに目の前がぼやけていくのを感じた。
ロイドを抱きしめて振り絞るように言った。

「俺が傍にいる。だから、外に出よう」

声が涙で震える。

「ロイド・・・ごめんな」

正解などこの世界にないのかもしれない。
けれど間違いは存在している。
正解と間違いは正反対の存在ではないかもしれない。
ロイドは謝罪など気にする風でもなく、ただ俺とここにいたいと主張する。
それをあやして、俺は泣きながらロイドの体を拭いた。
そして服を着せてやる。

「ランディ・・・どうして?こうなるのがランディの望みだったんじゃないのか」
「違う・・・違うんだ」

本当はそのままのお前で良かった。
表情をくるくると変えて、俺の気持ちを翻弄する。そのままで良かった。
ただ俺の愛情の表現は普通から逸脱していて、こんなことになった。
許されるなら、最初からやり直そう。

「ロイド、悪いな」

ロイドのみぞおちに一つ当身を食らわす。
呻きを上げてロイドがその場に崩れ落ちた。

PR
  top  
忍者ブログ [PR]