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目の前には神妙な顔つきの者、慌てた顔の者、なんだか少し喜んでいる者、様々な顔が並ぶ。
一人憮然としている赤髪の少年が周りの人間の表情を作っているらしい。
その彼の頭にはぴょこりと飛び出た獣の耳。
背中の方からひゅんひゅんと動くしなやかな尻尾がある。
怨霊退治に出かけた仲間が戻ってくるなりヒノエを突き出すから何事かと思ったが、それもそのはずだ。

「べ、弁慶さんっ、その、どうにか、なります・・・よ、ね?」

仲間を危険な目に合わせた呵責から神子の声は不安げだが、それに応えた自分の声は対照的に酷く落ち着いてしまっている。
頭の中は割と驚いているのだが突如としてやってきた事態に案外冷静になってしまうらしい。
可愛い甥っ子の頭に獣耳の一つや二つ生えたからとて何が変わるものかなどと半ば開き直り、仲間の説明に耳を傾けた。

曰く、怨霊は猫の化け物で、それに止めを刺そうとした瞬間、いきなり怨霊が立ち向かってきてヒノエに攻撃したという。
景時が言うには呪詛の一つに違いないが、死に際の呪詛は念が深くて迂闊に手が出せないのだとか。



「でも、能力的には変わらないんですよね」
「うん。ヒノエの力には何も、変わりが無いよ。五行も安定してる」
「そうだね~、耳と尻尾が生えただけだしね~」

譲が哀れむような視線をヒノエに投げながら問うと、幼い神様とのったりした声の陰陽師は慰めるように応えた。
問題のヒノエは、変わらずにむっつりと口を閉ざしたまま、一言も発そうとしない。

「ヒノエ?」
「・・・、」
「さっきから返事も何もないですが。具合でも悪いんですか」
「ヒノエくん、そうなの?」

神子と弁慶に詰め寄られ、たじろぐと、一瞬下を向いて部屋をばっと飛び出した。
さながら猫の身軽さに一同は目を奪われる。

「あれは一体・・・ヒノエらしくないな・・・」
「やっぱりダメージがでかかったんじゃねえの?」
「だめーじ?」
「んー、貰った傷、ってとこかな」
「ああ・・・。そうですね、あれで案外、繊細なところもありますから・・・」

敦盛の案外達観した冷たさにたじろぐと、将臣は苦笑してやり過ごした。
そのまま一同がどうしようかと頭を抱えているさなか、弁慶は一人立つ。

「どちらへ・・・?」
「まず本人に話を聞いてみる事にします」
















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猫耳は男の浪漫じゃけえ。

一度はやりたいじゃないですか。欲望に負けるオレを許してくれ。
とりあえず続きます。
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