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それは鳥が羽化する瞬間にとてもよく似ていた。
髪や身体が水を引き上げながら水面に這うように伸び上がる。
白衣や髪が肌に張り付き、水滴をぽとぽと落とす。彼は顔にかかる水を手で拭いながらふらりと立ち上がった。
良い季節になってくると用も無いのに禊をするのは彼の癖だろうか。と言ってもまだ夏ではない。風が出れば肌寒いのだが。
傍らで手拭を持ったまま棒立ちになっているこちらの手持ち無沙汰具合をものともせずに、いつもの微笑で水の感触を楽しんでいるらしい。
「ありがとう、」
「水浴びは楽しかったか」
「・・・いやだな、禊ですよ、」
「多ければ日に二度も三度も水に入って、風呂じゃねーぞ」
分かり易く舌打ちする。
弁慶は笑いながら手拭で髪の水気を取り去った。かと思うと、まだびしょ濡れのままの手で手を引く。
ひんやりした手に少し鳥肌が立った。
「君も、」
どういう意図かは知れないが、一緒に水浴びしようと考えているらしい。
弁慶はこちらの纏っている衣に手をかける。
部屋着を水に濡らすわけにはいかないから全部脱がせようと言うのだろうが、さすがに寒い。直に冷たい水に触りたいと思うほど自分は水が好きなわけじゃない。
けれど文句を言う前に濡れて冷えた手が肌に触れて背中がざわつく。
「ずっと禊に付き合ってくれたから」
「おれがやだって言っても無理やり引っ張ったくせに」
「だから・・・、ご褒美、あげますよ」
耳元でそう囁かれて胸を叩いた。
抵抗する気なんかそもそも無かったけれど、それでも恥ずかしいのは、嬉しいと思っている自分だ。
背筋を撫でる指先に目眩がする。
簡単に帯を解かれて着物が滑り落ちた。
まだ日は高く萌黄の葉が光線を通して涼やかにざわめいている。その中で素肌を晒しているのが気恥ずかしい。何度も見られているのに。
弁慶は何も言わないで首筋や胸板に口付けている。それだけで熱を帯びている自身を直視出来ずに顔をそらして下唇を噛んだ。緊張と期待で咽喉が鳴る。
「ねぇ、嬉しいでしょう」
「・・・聞くなよ、そんなこと」
「恥ずかしい?」
「・・・・・・まあ。でも・・・、」
消え入りそうになりながら言った言葉に弁慶は気を良くして少しだけ熱を撫でた。呆気なく声が零れる。
「水に入りましょうか」
それが合図のようで、もう耳まで血が上っているのが分かった。
弁慶はいつも、意味のない、恥ずかしい事をする。
水中で口付けた唇の感触は想像以上に不思議だった。
流れ込む相手の息。舌の熱さ。隙間から水泡が抜けて行く以外、全てが無音の世界。
弁慶の手が髪に入り込んで頭を押さえる。
それなりの間口付けていて、そろそろ息が苦しくて仕方ないのに、まだ水から上がろうとはしないらしい。
このまま死ぬつもりだろうか。こいつだったらやりかねないような気がして、一瞬恐ろしくなる。
無意識に、おれは弁慶を突き飛ばして水面に向かって上がっていた。
「はっ・・・・、はぁっ、」
少しの時間差で弁慶も水面に顔を出す。
水際の石に向かって少し泳いで、そこにもたれたまままだ整わない息の中で精一杯の講義をした。
「あんたおれを殺す気か?!死ぬかと思っただろうが」
「あのままだったら死んでも良いかなって、少しくらい思いませんでした?」
本気だったのか冗談なのか分からないまま、弁慶はゆるゆる近づいてきて顎を取る。
「弁慶、ちょ・・・っ」
「僕は良いと思ったんですけどね、水の中は腹の中みたいで」
また全て吸い尽くすみたいな口付け方をして今度こそ身体を貪り始める。
後ろに指が宛がわれて背がしなった。
「あ、ぁっ、」
「君と一緒に、胎内に戻るようで・・・、」
おれは弁慶が水から上がった時、羽化した鳥のように思えたのに、こいつは卵の中に戻りたがっているようだ。
羽ばたくのが怖いんだろうか。
片隅でそう思っていると弁慶の指は中をこね回して、ぐるりと抉った。
「ひ・・・、っ」
熱が引いたように思えていた身体はすぐに充血する。
おれはこいつに抱かれて、抱きすくめられて、熱を感じたり鼓動を聞いたりする事が気持ち良くてしょうがないのに、弁慶はどうも一緒になりたがる。
別々だからこんなに気持ち良くなれるのに、どうして一緒じゃなきゃいけないのか分からない。
おれの前を弄る手に手を重ねて一緒に扱き上げる。
溢れてくる先走りで段々と滑りが良くなり、腰が揺れた。
後ろに宛がっていた指が抜かれて、弁慶のものが押し入ってくる。
腹の息を吐き出して、広がっていく後ろの感触を恍惚としながら受け止める。
相手に征服されたような安息感をふと感じて、弁慶の思っている事が少し理解できたような気がした。
大分、自惚れている気もしたけれど。
「弁慶・・・」
「はい・・・?」
「不安?あんた、」
「・・・。ええ、・・・君と、いればいるほど」
「不幸せだな・・・、随分」
「・・・・。いいえ、」
少し予想外だった。
弁慶はおれといるとおれがいなくなる事が怖くて、だから四六時中身体をつなげようとするのかと思ったのに、そればかりではないんだろうか。
「な、に・・・?あっ、ぁあっ」
急に腰を穿つ勢いに飲まれる。
揺さぶられるたびに水が跳ねる。後ろの熱の感触と水の冷たさが全身を震わせていく。
「や・・・っや、っ、ぁ」
「ヒノエ、」
「な、に・・・っ、・・・っあ」
揺すられてもう何が何なのか分からない。
余計な事を考えるより、熱と快楽を追いかける方が何より先立っていく。
「ぁっああっ、・・・っ・・・・」
前を強く擦られておれは呆気なく吐精していた。
ずる、と身体が崩れそうになるのを弁慶が後ろから支える。
そのままもう一度腰を使われて、イったばかりには辛くて仕方ないのに身体が悦んでいた。
髪や身体が水を引き上げながら水面に這うように伸び上がる。
白衣や髪が肌に張り付き、水滴をぽとぽと落とす。彼は顔にかかる水を手で拭いながらふらりと立ち上がった。
良い季節になってくると用も無いのに禊をするのは彼の癖だろうか。と言ってもまだ夏ではない。風が出れば肌寒いのだが。
傍らで手拭を持ったまま棒立ちになっているこちらの手持ち無沙汰具合をものともせずに、いつもの微笑で水の感触を楽しんでいるらしい。
「ありがとう、」
「水浴びは楽しかったか」
「・・・いやだな、禊ですよ、」
「多ければ日に二度も三度も水に入って、風呂じゃねーぞ」
分かり易く舌打ちする。
弁慶は笑いながら手拭で髪の水気を取り去った。かと思うと、まだびしょ濡れのままの手で手を引く。
ひんやりした手に少し鳥肌が立った。
「君も、」
どういう意図かは知れないが、一緒に水浴びしようと考えているらしい。
弁慶はこちらの纏っている衣に手をかける。
部屋着を水に濡らすわけにはいかないから全部脱がせようと言うのだろうが、さすがに寒い。直に冷たい水に触りたいと思うほど自分は水が好きなわけじゃない。
けれど文句を言う前に濡れて冷えた手が肌に触れて背中がざわつく。
「ずっと禊に付き合ってくれたから」
「おれがやだって言っても無理やり引っ張ったくせに」
「だから・・・、ご褒美、あげますよ」
耳元でそう囁かれて胸を叩いた。
抵抗する気なんかそもそも無かったけれど、それでも恥ずかしいのは、嬉しいと思っている自分だ。
背筋を撫でる指先に目眩がする。
簡単に帯を解かれて着物が滑り落ちた。
まだ日は高く萌黄の葉が光線を通して涼やかにざわめいている。その中で素肌を晒しているのが気恥ずかしい。何度も見られているのに。
弁慶は何も言わないで首筋や胸板に口付けている。それだけで熱を帯びている自身を直視出来ずに顔をそらして下唇を噛んだ。緊張と期待で咽喉が鳴る。
「ねぇ、嬉しいでしょう」
「・・・聞くなよ、そんなこと」
「恥ずかしい?」
「・・・・・・まあ。でも・・・、」
消え入りそうになりながら言った言葉に弁慶は気を良くして少しだけ熱を撫でた。呆気なく声が零れる。
「水に入りましょうか」
それが合図のようで、もう耳まで血が上っているのが分かった。
弁慶はいつも、意味のない、恥ずかしい事をする。
水中で口付けた唇の感触は想像以上に不思議だった。
流れ込む相手の息。舌の熱さ。隙間から水泡が抜けて行く以外、全てが無音の世界。
弁慶の手が髪に入り込んで頭を押さえる。
それなりの間口付けていて、そろそろ息が苦しくて仕方ないのに、まだ水から上がろうとはしないらしい。
このまま死ぬつもりだろうか。こいつだったらやりかねないような気がして、一瞬恐ろしくなる。
無意識に、おれは弁慶を突き飛ばして水面に向かって上がっていた。
「はっ・・・・、はぁっ、」
少しの時間差で弁慶も水面に顔を出す。
水際の石に向かって少し泳いで、そこにもたれたまままだ整わない息の中で精一杯の講義をした。
「あんたおれを殺す気か?!死ぬかと思っただろうが」
「あのままだったら死んでも良いかなって、少しくらい思いませんでした?」
本気だったのか冗談なのか分からないまま、弁慶はゆるゆる近づいてきて顎を取る。
「弁慶、ちょ・・・っ」
「僕は良いと思ったんですけどね、水の中は腹の中みたいで」
また全て吸い尽くすみたいな口付け方をして今度こそ身体を貪り始める。
後ろに指が宛がわれて背がしなった。
「あ、ぁっ、」
「君と一緒に、胎内に戻るようで・・・、」
おれは弁慶が水から上がった時、羽化した鳥のように思えたのに、こいつは卵の中に戻りたがっているようだ。
羽ばたくのが怖いんだろうか。
片隅でそう思っていると弁慶の指は中をこね回して、ぐるりと抉った。
「ひ・・・、っ」
熱が引いたように思えていた身体はすぐに充血する。
おれはこいつに抱かれて、抱きすくめられて、熱を感じたり鼓動を聞いたりする事が気持ち良くてしょうがないのに、弁慶はどうも一緒になりたがる。
別々だからこんなに気持ち良くなれるのに、どうして一緒じゃなきゃいけないのか分からない。
おれの前を弄る手に手を重ねて一緒に扱き上げる。
溢れてくる先走りで段々と滑りが良くなり、腰が揺れた。
後ろに宛がっていた指が抜かれて、弁慶のものが押し入ってくる。
腹の息を吐き出して、広がっていく後ろの感触を恍惚としながら受け止める。
相手に征服されたような安息感をふと感じて、弁慶の思っている事が少し理解できたような気がした。
大分、自惚れている気もしたけれど。
「弁慶・・・」
「はい・・・?」
「不安?あんた、」
「・・・。ええ、・・・君と、いればいるほど」
「不幸せだな・・・、随分」
「・・・・。いいえ、」
少し予想外だった。
弁慶はおれといるとおれがいなくなる事が怖くて、だから四六時中身体をつなげようとするのかと思ったのに、そればかりではないんだろうか。
「な、に・・・?あっ、ぁあっ」
急に腰を穿つ勢いに飲まれる。
揺さぶられるたびに水が跳ねる。後ろの熱の感触と水の冷たさが全身を震わせていく。
「や・・・っや、っ、ぁ」
「ヒノエ、」
「な、に・・・っ、・・・っあ」
揺すられてもう何が何なのか分からない。
余計な事を考えるより、熱と快楽を追いかける方が何より先立っていく。
「ぁっああっ、・・・っ・・・・」
前を強く擦られておれは呆気なく吐精していた。
ずる、と身体が崩れそうになるのを弁慶が後ろから支える。
そのままもう一度腰を使われて、イったばかりには辛くて仕方ないのに身体が悦んでいた。
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