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求めるほどに遠ざかり

見失うと同時に近づいてくる。

陽炎のようなその人の、微笑。

いつも笑顔を絶やさず、いつも人を思い、それでいて、遠ざける。

するりとかわす様は蝶のよう。

夜の帳が降りた頃

息を感じるほど近くあるその人に

問いかけてみる。何故人を遠ざけるのかと。

『怖いからですよ。』

手にしたその瞬間から手放す瞬間までの時間が

恐ろしく短いように思えてどうしようもない。

だから、関わらない。

『僕は、弱いんです』

暗がりで笑んだ口元に指を滑らせて

首筋に顔を埋めた。

笑った顔の痛々しさが悲しくて

眠りの中では共にあれれば良いと

まじないをかけるように、目を瞑った。

 

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