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寄せては返す波のように、必ず反応する。

身の中に宿った互いの血の力には抗いようもない。

初めて抱いた瞬間から、ずっとこの体を知っている。



突っぱねる腕の震えは拒否ではなく、多幸感からくる恐怖の表れなのだろうと思う。

腕が、肩にすがってくるとそれはますます確信になる。

幾度となく離せ、と声が聞こえたが、そのたびに離せない。

彼の腕は更に力を強めてしがみつく。

矛盾を露にして。



お互いを知りすぎるゆえに、収まりの良い距離があった。

だというのに、少しでも情を絡めると距離は近くなりすぎて、像の全てが歪んでいく。



遠くて見えない、近すぎて見えない。



互いに知らないことと言えば

容易く片付かない感情を持ってしまった時の、距離だけだ。



何故体を重ねるのか、問われたら

頭に追い付かない獣の本能が、ただ求めているのだろうとしか、言いようがない。



緋色のくせ毛が一房跳ねる。

こぼれる息を飲み込むように、深く口付けた。

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