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白々更ける その山の
水面にも似た さやけさや



目を見張る

舞わせた右腕から広がる花紅。

金色の夕陽と、ほとりと零れる紅梅の色鮮やかさ

紅緋の髪をくゆらせ

舞台の真ん真ん中で舞い踊る。

柔らかに浮かぶ微笑が

男とも女ともつかず中性的で

それは美しい。

短い舞のひと時を終えれば

観衆が一瞬の沈黙の後にわっと声を上げた。






ヒノエはどっかり腰を落とすと

既に部屋で酒を飲んでいた弁慶に手を差し出す。

「酒、」

「・・・はいはい、お疲れ様です」

お猪口に酒をつぐと、今日の主役にそれを献上する。

一気に煽ると、オヤジくさく息を吐き出して

心底から呼吸しているようだった。

「君にあんな特技があったなんて思いませんでした」

ヒノエは憮然とした顔のまま

あぐらに頬杖をつく。

道中で知り合った旅の一座の舞手が怪我をして

舞台ががら空きだと困っている彼らに手を貸した。

ヒノエが少々渋ったような顔をしながら衣装に手をかけたので

一体何事かと弁慶を含めて皆一様に目を丸くしていたが。

「・・・」

「ヒノエ?」

「弁慶」

猪口を乱暴に床に転がすと

唐突に上に押しかかる。

「したい」

「なんですか、いきなり」

少し呆れたような顔でヒノエの前髪を弄ると

彼は手をを取って無理に口付ける。

「無料で行きずりの人に奉仕したんだ。ご褒美くれても良いだろ」

「良い子良い子と撫でてあげましょうか」

何気なく笑ってからかうと彼の表情が少し歪む。

「・・・・、・・・遅いっての」

ぼそりと呟かれた言葉に首を傾げると

ヒノエは慌てて仕切りなおすように弁慶の着物の袷をくつろげた。

「どうしたんですか」

穏やかな声に誘われて、首筋や胸板に吸い付く。

時折身を竦める弁慶に気を好くしながら

愛撫を続けた。

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