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空気を吸い込む。

秋の終わりだと言うのに

小春日和だったのかその香りはあまりに春で

どこか、胸の奥を発情させる。



顔を上げると風が撫でる。

顎を持ち上げ口付けるように

頬を撫で、全身を愛撫して去って行く。



風がやんでもなおその感覚は残り続けて

まるで、まるで。誰かに、よく知った誰かに触れられているような。





今あんたはどこにいる。



一人でこの発情するほど心地良い大気を感じても

ただただ恋しくなるばかり。居ないほどに辛くなるばかり。



遠く臨む月の灯りは彼の人によく似て

薄く寒い色をしてどこまでも温かく地を照らす。









「あんたが来ないと・・・そのうち、」



一人慰める夜を幾度過ごしたか数えることなど出来ない。



その分溺れている事を認めているようで

幼い矜持が許さないから。





「弁慶・・・」



名前を呼ぶたびに近く遠く。

心と体に熱を灯していく。





恐らく今宵も 一人踊る。



貴方だけを想って。
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