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ふいに肩を掴まれるような感覚に振り返った。

少年と言う年頃だろうか、薄黄金の髪をたずさえた彼は、耳に届く音に注意する。



「子供・・・?」



べそをかくと言うより、それは盛大に泣いているらしい。

結構遠くから聞こえてきているはずだが、ずいぶんはっきりしている。

小脇の薬草の籠を一度抱えなおし、行こうかやめようか躊躇する。



「鬼や物の怪なら放り出すんだけど、」



子供が捨てられたにしては寺に近すぎるし、どうも化け物の類が誘っているとも思えない。

一応坊主の端くれだと言うのに助けに行くのが面倒なのか、不謹慎な言葉を吐いて、ついでに息も吐く。



「あれは人間かな、」



大方、麓の子供が山で迷ったのだろう。

寺に聞こえる所だったのは幸いだ。

人騒がせな子供に内心悪態をつきながら、放り出したのは抱えていた薬草の方だった。
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