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呼吸がままならない。

息の切れよりも、肺が限界まではりつめ、ぎしぎしと軋む。

気管が空気でこすれ、干上がって痛んだ。



「誰か!生きている奴はいるか!」



薙刀を一閃、五、六人ばかりの足が空と地の間で離れる。

悲鳴のあとにまた後列から湧いてくる。



「うじゃうじゃと・・・貴族の犬が」



白い袴は返り血でべったりと汚れ、彼自身の足は限界を訴えるように震えをもよおす。

後列の団体が仕掛けてくるほんの僅かな隙に身を翻し、懐から煙筒を取り出す。瞬間爆発し、周囲が白一面に様変わりした。



走り出す時、後列から怒声が聞こえた。



義賊気取りの身のほど知らず。



ただ、唇を噛み締めるしか無かった。


 

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